サツマイモ ヒルガオ科 PH5~6の酸性を好む
発芽温度18~23℃ 生育温度20~30℃ 光飽和点30
相性の悪い植物→サルビア (アブラナ科)
相性の良い植物→エンドウ、枝豆、麦、落花生
オススメ品種は 「ベニハルカ」
「ベニハルカ」は、「ベニアズマ」に比べて貯蔵中の腐敗いもの発生が少なく、「高系 14 号」に近い貯蔵性を持つ
主要病害虫に対する抵抗性を持ち、減農薬栽培に向く。貯蔵中の腐敗が少なく、貯蔵しやすい。貯蔵中に品質が変化し、貯蔵3か月後には肉質が粘質化し、甘味が強くなる
*前作がサツマイモの貯蔵性に影響する。
例)前作:キャベツ→貯蔵性を低下。麦,落花生→貯蔵性を向上
<サツマイモの栽培時期>
●植付け時期
さつまいもは地温18℃以上であれば早植えほど全体の収量性は高いですが、早すぎて地温が低いと塊根の分化が順調でなく、いもは長く、いも個数は減少し、形状は不揃いとなる傾向があり、いもの着生範囲が広くなるため収穫掘取り作業の能率が低下し、傷いもが多くなる場合があります。
早植えの限界は、同じ地帯でも土壌などによって相当の差があり、砂土、砂壌土や南面の傾斜地では早く、火山灰土、沖積土や北面の傾斜地では遅くなるようです。
一般的には、九州など西日本では4月下旬から5月上旬、関東など東日本では5月中旬から下旬、東北では6月上旬です。
一方、植付け時期が、関東地帯では6月、西日本では6月中旬~下旬以降にまで遅くなると減収するため、植付本数を増やすなどの工夫が必要となります。
ベニハルカの栽培時期と収穫量 |
<サツマイモの栽培方法>
【育苗・定植のポイント】
苗は節間の詰まった短めの苗を植える。
長さが20cm以下の節間の詰まった新鮮な苗がよい。
苗は節間の詰まった短めの苗を植える。
長さが20cm以下の節間の詰まった新鮮な苗がよい。
買ってきた苗が萎れていたら一度仮植えして、そこから発生したツルを使うと
新鮮なツルを挿すことができます
●水平植え
苗の各節へのイモ付きをよくするため苗を浅く水平に植付ける。
いもは付きやすいが乾燥しやすく活着が悪い。
●改良水平植え
苗の活着を良好にするため、切り口を地中深く植え込む。
いも付きが良く乾燥に強いが植付け能率が劣る。
●舟底植え
苗の中央部をやや深く舟底形に植付ける。
植付け能率が高く、植え痛みも少ないが、いも個数が多く揃いが悪い。
●釣針植え・斜め植え・直立植え
早掘用などのマルチ栽培に苗を釣針形、斜ざし、直立ざし に植付ける。
いもは、苗の浅い1~2節に付き、個数が少ない。
●菅野式若苗萎れ定植(すがのしきわかなえしおれ定植)
福島県の農業高校の元先生、菅野元一さんという方が考案された植え付け方で省力、多収穫、種苗費が安くなる。欠株がでにくい、短期育成
菅野式 |
30分程、直射日光にあてて しおれさせてから、 真ん中の ○で囲ってある 部分を 水平に定植する |
発根が早く、肥大根(イモになる根)になりやすいのは頂葉(展開葉)から数えて3~5節目である。
サツマイモの根は2種類あります。
ひとつは苗の切り口から生えている細い根で、これを吸収根といいます。吸収根は水や肥料を吸い上げる役目をします。
もうひとつは葉と茎を結ぶ葉柄の付け根(節)から生える太い根で、これを不定根といいます。この不定根が生長していもになります。定植は不定根がツノのように顔を出したころに行ないます。
*吸収根は挿すときに切り取ってしまうと良いようです。
もうひとつは葉と茎を結ぶ葉柄の付け根(節)から生える太い根で、これを不定根といいます。この不定根が生長していもになります。定植は不定根がツノのように顔を出したころに行ないます。
*吸収根は挿すときに切り取ってしまうと良いようです。
▼菅野式ポイント1 若苗
手でちぎれる程度の若い苗。老化苗だと、イモにならないゴボウ根を出して養水分をどんどん吸収、地上部ばかり育ててしまう(ツルぼけ現象)。
▼ポイント2 摘芯
苗の先を手でちぎると、先端部の芽が伸びられなくなり、側芽がバランスよく育ち、ムダな成育をしなくなる。
▼ポイント3 しおれ定植
わざと太陽に30分ほどあてて、切り口を乾燥させる。イモは次の世代を用意しようとする。
● 直播栽培直播栽培は、育苗・採苗の手間と経費が不要で、植付けも省力的である程度の天候不順にも影響を受けにくい印象がある。
畑に種いもを直播すると、約1か月で芽がでてくるが、これに先立って植え付付け後10日くらいで種いもの尾部から根が多く発生する。
この根が肥大したものが「親根いも」、萌芽して伸びた茎の地中部分からでたた根からできたのが「つる根いも」で、両方あわせて「子いも」という。
子いもは、一般栽培のいもと同じである。
親根いもは早く出来るので大きく、つる根いもは遅れてつくので比較的小さい。
↓
地力の低い土壌で栽培
サツマイモの表皮のくぼみ
サツマイモの芋の部分は根が肥大したものなので、表皮のくぼみの位置が側根の発生した場所です。くぼみが均等だと良品といえます。適期に収穫されたものはきれいな紡鐘形ですが収穫が遅れると根と根の間が肥大するのでボコボコの形になります。
有機物が多いとイモの表面が荒れるので、地力の低い土壌で育てることが大切です。
8月になり蔓が茂ってきたらツル返しをする。
ツルが伸び過ぎるとイモが肥大しないので、ツルを反転して成長を抑え、イモの肥大を促す。また収穫の2~3週間前にツル返しをすると葉でつくられたデンプンがイモに流転する。
自然耕の私の畑では耕さずに 無肥料で平畝に植えています。
が一般的には下記のようにいわれています。
耕起は、耕土を軟らかくして、通気性と水はけを良好にすると同時に、雑草の発生を防止する効果が高い。ただし、火山灰土地帯ではかえって干ばつ害を受けやすくなり、年によっては減収することもあるので、ロータリー耕などでの過剰な耕起細土はさける。逆に粘質土地帯では、耕起は必須条件となる。耕起のさい、堆肥、石灰、りん酸などを全面散布すると作業能率が向上する。
●畦つくり
肥沃地や多湿地は高畦とし、やせ地や乾燥地は低畦とする。高畦は土壌の通気性を良好にし、葉の受光態勢を向上するとともに地温較差を大きくして地上部の生育が抑えられ増収するのみならず、蔓刈りなどの収穫・掘取り作業が容易となる。ただし、高畦はやせ地や乾燥地では減収することとなるので注意が必要である。青果用では、ポリフィルムを用いたマルチ栽培が多い。
●貯蔵方法
サツマイモは収穫時の傷口から貯蔵中に腐敗しやすい。
しかし、掘り取ったサツマイモを適当な温度・湿度に置くと、傷口の表皮下にコルク層ができて自然治癒する。これをキュアリングcuringとよぶ。この性質を利用して、貯蔵初期にコルク層形成を早めるために収納庫内の温度を30~33℃、湿度90~95%の条件にして3~4日置く。その後、速やかに放熱して、以後、13~14℃の適温に調節して貯蔵する。
*簡易法として、ビニールハウス内でさつまいもコンテナにビニールシートをかけ4日間(15~40C)蒸し込みます。
•キュアリング終了後、13°Cを目安に貯蔵します。
•キュアリング終了後、13°Cを目安に貯蔵します。
日数はかかりますが、自然乾燥でも傷口はコルク化します。
十分に乾燥したら個別に包装 |
寒くなったら毛布で保温
より詳しくは → 「スーの家の自然栽培的オーガニック家庭菜園12ヵ月」
で説明しています。
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<サツマイモの苗づくり>
前年、収穫して保存していた芋からも スーパーで売っているサツマイモからも
苗を作ることができます。
●温湯処理
3月のお彼岸過ぎ48℃くらいのお湯で40分消毒してからプランターや ビニールトンネルなどの暖かい所で 育苗します
●催芽処理
種いもが萌芽原基から萌芽するまでは高めの温度と適当な湿度を与え、萌芽後は比較的低い温度で育苗し、良質健苗にする。萌芽は適度な温度と湿度があれば数日で終了する。
催芽温度は品種によって異なるが、概ね30℃前後であり、3~5日間の処理で芽が10mm程度の長さをめやすとする
△苗床の種類と採苗(第1回)までの日数
・露地苗床・冷床苗床
西南暖地向き。暖かい場所で自然の熱を利用して育苗。省力・低コストだが、日数がかかり、萌芽ぞろいも悪い。55日以上
・ビニール利用冷床苗床
冷床苗床にビニールフィルムを被覆して苗床の気温地温を高めたもの。簡易な醸熱温床との併用で関東地方まで利用が可能。
45~55日
<さつまいもの特徴 >
さつまいもは様々な栄養素を含んだ、高機能・低カロリーで美容にも効果的な食物なのです
主成分はでん粉ですが、各種ビタミンやミネラル類も豊富に含まれています。
また、セルロース、ペクチンといった食物繊維が非常に多く含まれているのが特徴です。たんぱく質と脂肪を補給すれば、理想的な食事ができるという意味で準完全食品といえそうです。
・ビタミン類
βーカロテンー体内でビタミンAに変わり、体内で脂質抗酸化物質として機能
ビタミンB1ー糖質の利用を助ける作用があり、不足すると疲労感が増す。
ビタミンCーリンゴの10倍以上も含まれていて、細胞の結合を強化するコラーゲン生成を助ける機能がある。(さつまいものビタミンCは、加熱調理しても糊化したでん粉の作用により壊れにくい。)
ビタミンEー 老化現象のもとになると言われる過酸化脂質が体内にできるのを抑制する働きがある。
・カリウム(ミネラル)-腎臓からナトリウムを排出する作用を持ち、血圧低下に効果的。米飯の18倍もの量が含まれている。他の野菜類と比較しても極めて豊富。
・食物繊維ー他の野菜に比べると食物繊維を多く含んでいる。便秘を解消させる作用だけでなく、血液中のコレステロールを低下させる作用や血糖値をコントロールする働きもある。
参考元
サツマイモMINI白書・ ・さつまいも雑学他
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